「何だか最近、疲れやすくなった…」「肌ケアを怠っていないのに、なぜか肌荒れしてる…」といった悩みを持つ女性は意外に多いのではないでしょうか。
そのような人に対してアドバイスをするならば「食生活を見直してみましょう」という点に尽きます。
特に、野菜の摂取量が不足していることを疑ってみた方が良いでしょう。「野菜が体に良いことは分かっているけど…」という方も多いと思われます。
この「けど…」の後に続くものとして、例えば「食費をなるべく切り詰めたい」と考えている人にとっては、野菜は高価なものになるでしょう。
今回は野菜の栄養素が持つパワーと、何かしらの理由があって摂取できない人に向けての解決法を提示したいと思います。
野菜不足が引き起こす体の不調はかなり深刻だった
普段から野菜を摂っていないと、体には深刻な不調がもたらされることをご存知でしょうか。ここでは、どんな症状・不調が引き起こされるのかについて解説しましょう。
便秘
野菜は食物繊維を豊富に含みます。腸内環境を整えて排便を促してくれる物質ですが、摂取を怠ると当然のことながら便秘になってしまいます。
便秘はお腹にガスが溜まって不快な気分になりますし、いくら排便しようと力んでみても固くなった便は出てくれません。
それでも、無理にひねり出そうとした結果、切れ痔などの二次的な症状に悩まされることも考えられます。
体臭
野菜には「抗酸化作用」のある食材がたくさんあります。この力は、体に有害な物質である活性酸素の発生を抑える効果があります。
活性酸素によって体内の脂が酸化すると、臭いの元となる物質が出てしまい、それが体臭となってしまうのです。
また、おならや便の臭いも臭くなりますし、さらには汗の臭いがキツくなったり、わきがの症状が出てくることも考えられます。
肌荒れ
野菜不足は肌荒れの原因にもなることを知ってますか?その症状は、ニキビや皮膚炎といったものから、頭皮の炎症、かゆみ、フケなど多岐に渡ります。
それらは、複合的な原因から発生しているのですが、野菜不足もその一因です。例えば、便秘で考えてみましょう。
便秘は体に溜まった老廃物を排出できない状態のため、肌のターンオーバーの妨げに。また、野菜に含まれるビタミンは皮膚の健康を保つ大切な機能があります。
そのため、野菜の代わりに手軽なインスタント食品などで済ませていると、栄養が脂質に偏ってしまい、血流の悪化から皮膚に栄養が届かなくなるのです。
心的な不調
自律神経の乱れにも注意が必要です。野菜不足により、精神を安定的に保つことが難しくなる場合も。最悪の場合、うつ病などを発症してしまいます。
また、吐き気や頭痛・腹痛、倦怠感・眠気、めまい、生理痛といった症状も、自律神経が関係しています。これらが食生活で改善するとしたらいかがでしょうか?
生活習慣病
動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、がん、糖尿病、胃潰瘍、肺炎、脳血管性痴呆症など、生活習慣病にはさまざまな種類がありますが、食生活で改善できるものです。
体に有毒な物質である活性酸素は、細胞などを傷つけることも分かっています。抗酸化作用のある野菜は、有毒な物質の発生を防いでくれるでしょう。
また、食物繊維は血糖値の急激な上昇を抑え、コレステロールの吸収を防ぐことから、高血圧やメタボへの対策にも効果があります。
1日に摂取するべき野菜の量を簡単に紹介!
少し前のデータですが、平成23年度の厚労省による「国民健康・栄養調査」によると、成人一日当たりの野菜摂取量の平均は、20代で234.4g、30代で239.1g、40代で255.6gという結果に。
20歳以上の全世代の平均値が277.4gであることに照らし合わせてみると、働き盛りの世代はみんな平均値を下回っていることが分かります。
また、平成28年度の同調査によると、男性の平均野菜摂取量が283.7gに対して女性は270.5gと10g強ほど女性の方が野菜を食べていないことが分かっています。
私たちは一体、どれくらいの量の野菜を食べれば良いのでしょうか?
1日に摂取するべき野菜の量は「350g」これって実際どのくらい?
ズバリ答えを提示してしまいましたが、一日に食べるべき野菜の量は350gです。ところが、350g食べていればOKかというと、実はそうではありません。
コンビニなどで買えるサラダなどは、キャベツやレタスなどの葉物で重量を稼いでいるモノがほとんどです。しかし、本当にこだわるべきはその中身なのです。
厚労省では、350gの内訳として「淡色野菜230g・緑黄色野菜120g」を目標値としています。淡色野菜のキャベツやレタスばかり食べていてもダメなことが分かるでしょう。
また厚労省では、小皿や小鉢といった副菜を一皿70gと定義し、野菜炒めなどの大皿(主菜)を一皿140gとしています。そのことから、主菜140gに副菜の小鉢3皿で必要量が摂取できると考えましょう。
野菜ごとに含まれる栄養素を知ろう!
野菜で効率的に摂取できる栄養素は、ビタミン・ミネラル・食物繊維になります。それでは、各栄養素の機能と、その成分を含む野菜を紹介していきましょう。
ビタミンC
効果:コラーゲンを作る量を増やす・ストレスへの耐性が向上・免疫力がアップする
食材:ピーマン・ブロッコリーなど
ビタミンA
効果:肌の健康を維持してくれる
食材:にんじんなど
ビタミンE
効果:抗酸化作用により活性酸素の発生を抑える
食材:ほうれん草・枝豆など
ビタミンK
効果:骨を強くする・血管をしなやかに保つ
食材:パセリ・しそ・モロヘイヤなど
ビタミンB1
効果:皮膚や粘膜を適正に保つ・脳神経を安定させる
食材:トマト・かぶ・グリンピース・切り干し大根など
ビタミンB2
効果:栄養素からエネルギーへと変換するのを助ける
食材:わらび・モロヘイヤ・ぜんまいなど
ビタミンD
効果:カルシウムの吸収を良くする
食材:きくらげなど
カルシウム
効果:脳神経の興奮を抑えてイライラを防ぐ
食材:なずな・パセリ・かぶ・大根など
食物繊維
効果:腸内環境を整え、排便をスムーズにする
食材:らっきょう・わらび・ぜんまい・ずいきなど
野菜不足を解消する裏技テクニック4選
特に働き盛りの世代に野菜が不足していることは、すでに紹介しました。その原因としては、食事に時間を割くことができない多忙さが考えられるでしょう。
ここでは、野菜不足を解消するためのテクニックについて解説したいと思います。
野菜ジュースを利用する
多忙な人でも簡単に栄養を摂ることができる代表格が「野菜ジュース」です。これならば、時間がない中でも素早く摂取できるでしょう。
サプリメントを活用する
野菜ジュースと同じ役割を果たすものとして、サプリメントの存在を挙げることができます。「野菜の味そのものが苦手」という人にとって、最適な栄養補給の方法ではないでしょうか。
冷凍した野菜で時短料理を実現
「料理はしたいが一人分だと食材を余らせてダメにしてしまう」といった人に向けては、冷凍保存という方法がオススメできます。
根野菜は常温でも長期間保存できますが、葉物などは2~3日もするとしおれてきます。そのため、その期間内に消費できないと判断したら、即座に冷凍してしまいましょう。
その際に保存袋があると便利です。また、大きい野菜はあらかじめ食べやすいサイズにカットしてから冷凍しましょう。
漬物・ピクルスにする
きゅうりやにんじん、キャベツなどは適度なサイズに切った上で、漬物の素などを用いて瓶詰めにしてしまうのも、一つの手段です。
漬物やピクルスにしてしまえば、長期間に渡って保存できますし、いざ「野菜が食べたい」と思った時に、手軽に利用できるでしょう。
簡単に料理に取り入れられるズボラ野菜レシピ
健康状態を維持していくために欠かせない野菜ですが「料理が面倒」という方に向けて、ここでは簡単に作れる野菜料理のレシピをいくつか紹介しましょう。
ブロッコリーと卵のわさび醤油サラダ
【材料】
ブロッコリー:1株
ゆで卵:3個
マヨネーズ:好きなだけ
わさび:好きなだけ
醤油:好きなだけ
鰹節もしくはシーチキン:好きなだけ
【手順】
①ブロッコリーを一口サイズに切ってからゆでる
②ボールにゆで卵を入れて潰し、マヨネーズ・わさび・醤油・鰹節もしくはシーチキンを入れて混ぜる
③ゆで上がったブロッコリーを②に加える
④お好みで味を微調整して出来上がり。
火を使わずに土鍋でチンする簡単おひたし
【材料】
ほうれん草:1袋
かつおぶし:好きなだけ
醤油:好きなだけ
【手順】
①ほうれん草を水で洗った後、さっと水を切り土鍋に入れる
②フタをして電子レンジへ。800Wで2分加熱した後、上下を返して追加で1分
③冷ますために水ですすぎ終えたら、鰹節と醤油を加えて完成
白菜と豚肉の簡単鍋
【材料】
豚肉:300g
白菜:1/4
醤油:大さじ4杯
酒:大さじ2杯
固形コンソメ:1個
水:1,000cc
塩:適量
コショウ:適量
【手順】
①豚肉を一口サイズに切り、白菜も適度な大きさにカットする
②鍋に油を敷いてから豚肉を炒め、8割がた火が通ったら、白菜を投入して醤油と酒を加える。
③水1,000ccを加えてから固形コンソメを入れて、中火で煮る
④白菜がしんなりとしてきたら、お好みで塩や胡椒を加えて味を調え完成。
いつまでも健康体でいるために、野菜を上手に摂取しよう
以上、野菜が心身の状態を健康に保つ上で欠かせない食材であることを紹介し、何かしらの理由があって野菜不足になってしまっている人に向けての解決策を紹介してきました。
強調しておきたいのは、三大栄養素が摂れる肉類やご飯・麺類ばかり食べていると、食事のバランスが崩れてしまうことです。
ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む野菜をしっかりと食べることで、三大栄養素も正しく働くようになることを覚えておきましょう。
「医食同源」という言葉があるように、食事の内容によって体調を崩すこともあれば、医者いらずな健康体を手に入れることも可能なのです。
そういった観点に立ち、自身の食生活をしっかりと見直すことをオススメします。
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