春は新生活が始まる季節。一人暮らしを始めたいと考えている人の中には、もうすぐ高校生になる人や現在進行形で高校に通っている人もいるのではないでしょうか?
しかし、一人暮らしは自分だけで暮らさなければならず、それ相応に大変なことがたくさんあります。
高校生が一人で暮らすリスクは、ある程度把握しておかなければなりません。
高校生で一人暮らしはそもそも可能?
一般的に賃貸契約を結ぶことができるのは、20歳以上の成人に限ります。
そのため16~18歳の高校生は、自分の判断でアパートやマンションを借りることはできませんが、親権者の承諾を得られた場合は問題ありません。
「一人暮らしをしてもいい」という親権者からの同意があれば、高校生でも部屋を借りることができるのです。
その際の契約は親権者が代わりに行ったり、親権者を保証人にして行います。
一人暮らしにかかる費用
ここまででお話した通り、高校生の一人暮らしは「法律上」問題ありません。
しかし、一人暮らしをするには沢山のお金がかかります。
実際にいくら必要なのかイメージしづらい人のために、具体的に「一人暮らしに必要な毎月の金額」を見ていくことにしましょう。
家賃
まず初めに、何よりもお金がかかる家賃の話から始めることにします。もちろん住む地域や部屋によって差はありますが、平均的な家賃はおよそ5、6万円といったところです。
東京など都心に暮らす方はやはり家賃も跳ね上がってしまうため、隣県を選ぶなど工夫が必要になるでしょう。
食費
家賃の次に生活費の多くを占めるのが食費。総務省が出しているデータによると、一人暮らしをしている人のひと月分の食費は、平均すると3万円ほどだそうです。
純粋な食事代だけでなく、友達とご飯を食べに行ったりカフェで食事をするときの出費も含めると、およそ4万円以上になるとも言われています。
光熱費
光熱費とは電気やガス、灯油などの燃料に対する出費のことを指す言葉です。
平均すると電気代は月に6千円、ガス代が3千円ほどかかるでしょう。
ただ、夏や冬は冷暖房を使用する関係で、値段が大きく跳ね上がってしまうことも忘れずに。
通信費
スマートフォンやパソコンを使う際に繋げるインターネット回線にも、私たちはお金を払う必要があります。
特に10代の人は、SNSや動画閲覧サイトなどを長時間使用することが多いのではないでしょうか?
総務省の調査によると、ひと月分の通信費は平均約7千円なのだそうです。
もちろん使いすぎると料金が上がってしまうこともあるので、注意が必要になります。
交際費
高校に通っていれば、自然と学校の友達と遊びに出かける機会も多くなるでしょう。カラオケや映画など、人付き合いのための出費も必要となってきます。
家計調査によると、平均して1万5千円ほどの金額が交際費へ充てられているようです。
工夫次第では削ることができる出費ですが「友達と一緒に楽しく遊びたい!」という気持ちを棄ててしまうのは惜しいですね。
雑費
ここでの雑費は、趣味で使うお金や日用品を買う時のお金などと言った、カテゴリーが難しい様々な出費のことを指します。
習い事やスポーツなどといった趣味は、生活を充実させるためには必要不可欠です。
かかる費用は人それぞれ違いますが、多いとひと月に万単位の金額が必要になってしまうこともあるでしょう。
また、シャンプーやトイレットペーパーなどの消耗品、洋服代や散髪代なども雑費に含まれます。
特に洋服代や散髪代は毎月必要ではない場合もありますが、細々とした出費を足すと1万円ほどの金額になってしまうことも。
合計
これまでの主な出費をすべて足すと、一人暮らしをする上でひと月に必要な金額はおよそ15万円となります。
もちろん人それぞれ生活の仕方は違うので多少の差は生まれるかもしれませんが、これが平均的な金額だと見て問題ないでしょう。
高校生で一人暮らしを始める前に伝えておきたい4つのこと
金銭的な部分でも負担が大きい一人暮らしですが、一人暮らしをする中での大変さというのは、お金に関わる話だけではありません。
それでも「どうしても一人暮らしをしたい!」という方へ向けて、私から伝えておきたいことを4つお話させていただきます。
一人暮らしは自己管理が大変
一人で暮らすためには、自己管理も徹底しなければなりません。
朝起きる時間や夜寝る時間も、注意してくれる人がいない分自由になります。だからといって夜更かしばかりしていては、勉強に身が入らなくなってしまうでしょう。
生活リズムだけでなく、精神的な支えもなくなってしまいます。家に帰っても部屋の電気は付いておらず、勉強や部活で疲れた体でご飯を作ったり、お風呂を洗わなければなりません。当たり前ですが、そばにいて支えてれる人もいないのです。
もう少し具体的な話をすると、一人で暮らす家には風邪をひいてしまったときに看病してくれる人もいません。そういった身体的な面での自己管理も、自分で行わなければならなくなります。
他の同級生と比べると断然忙しくなってしまうため思い通りのスケジュールを組むこともできません。思った以上にお金を消費してしまったり、なんてこともあるでしょう。ギリギリの生活のまま何ヶ月も過ごすことは現実的ではありません。
勉強とアルバイトの両立が大変
先程「一ヶ月に必要な生活費」を計算したばかりなので、分かりやすくなっていると思います。
ある程度の仕送りがあったとしても、ひと月に15万円を支払うのは高校生には辛すぎることは一目瞭然。
例えば時給900円のアルバイトをするとしましょう。もし自力で15万円稼ごうとするなら、平日5時間、休日7時間休みなく働くことで、ようやく14万円ほど稼ぐことができます。
この例はあくまで「毎日」働く場合を想定していますが、それでもひと月の生活費を稼ぐのにどれ程働かなければならないのかは想像できるはずです。
高校生が稼ぐことの出来る収入にはやはり限界がありますし、さらには一月15万だと仮定すると地域によっては扶養から抜ける必要があります。そうなると、そこにさらに税金が加わり1人で生活などできたものではありません。
こんな生活でアルバイトと勉強を両立させるのは、もはや無謀と言っても過言ではないでしょう。
高校生にしか体験できないことを満喫できない
筆者が一番伝えたいことはこれです。一人暮らしをおすすめしない理由は高校生は高校生らしく青春を謳歌すべきなのです。
仮に仕送りなどで金銭面の援助をしてもらったとしても、ある程度のお金は自分で稼がなくてはなりません。
そうなるとアルバイトの関係上「部活動」や「勉強会」更には「制服旅行」などといった高校生らしいことをするのも難しくなると思いませんか?
確かに、アルバイトをすることはあなたの身にとっても経験としてずっと残っていくでしょう。しかし、そんな早い段階から自分生活のために稼ぐなどしなくても良いのです。
せっかくの高校生活なのですから、お金にも心にも余裕がある状態で様々な体験ができた方が良いのではないでしょうか。
犯罪に巻き込まれやすい
高校生で、特に女性の一人暮らしは、性犯罪に巻き込まれるリスクが飛躍的に上がります。
性犯罪は屋外だけでなく、屋内で起こるケースが増えているのです。もし入浴中など、気が付かない間に自宅へ侵入されていたら、助けてくれる人はその場に誰もいません。
犯罪という観点からも、高校生の一人暮らしはおすすめできません。
実際に高校生で一人暮らしをしている人の声
せっかくなので高校生の人で一人暮らしをしている人や、一人暮らしを経験した人から当時のお話を聞いてきました。
参考になる部分が多い話ばかりなので、しっかり目を通しておきましょう。
自己管理の失敗談
「高校生活を通して栄養のある食事をとらなかったせいか、一度学校の健康診断に引っかかったことがあります。体調も崩しがちだったので、授業に出られずテスト勉強も上手くいかなくなり、成績に大きく影響しました。」
こちらは男性の体験談なのですが、食事の栄養に気を遣うことができず、自分の体調管理ができなかったようです。
たかが食事、されど食事です。必要な栄養を摂らなければ体調は悪くなりますし、最悪病気にもなってしまいます。
アルバイト関連の話
「想像以上にアルバイトをしなければならず、遊ぶ時間が取れなかったです。せっかく仲良くなれた友達とも遊ぶことができず、その子とはだんだん話をすることもなくなりました。自分と周りの生活に大きなギャップがあることを痛感しました。」
高校生で一人暮らしをしている人は、そんなに多くはありません。ほとんどの人が家族と一緒に暮らすか、寮で生活しています。
生活リズムの違いが友達との間に溝が生まれてしまうこともあるようです。
学校行事への参加
「学園祭のとき出し物として、クラス全員でダンスを披露することになりました。だけどアルバイトのせいで全体練習に参加できず、個人練習する時間もとれなかったので散々な思いをしました。当時はクラスメートにたくさん迷惑をかけたと思います。」
こちらは友達などといった個人ではなく、クラスメート全員に迷惑をかけてしまった話です。
ひとつ前の話にもありましたが、高校生で一人暮らしをする人はアルバイトで時間が取れずに大変な思いをする人が多いようですね。
家に虫が侵入
「一人暮らしをしたばかりの時、部屋に大きなハチが入ってきたことがありました。怖くてどうすることもできず家から飛び出したのですが、それから友達と電話したりして夜まで外にいました。今思えばイヤホンをしながら一人で歩くのは不用心だった気がします。」
虫が苦手な人は特に、こういった場面には悩まされるのではないでしょうか。自分で駆除するのは怖いけど業者さんを呼ぶには大げさすぎるし……と途方に暮れてしまいます。
更にポイントとなるのは、夜に一人で外にいたことに対する危機感が薄かったことですね。
防犯意識の足りなさ故の行動だったのかもしれません。一歩間違えば犯罪に巻き込まれていたかも?といった二重の失敗談でした。
高校生の一人暮らしはリスクが高すぎる!
この記事では高校生の一人暮らしに関して、金銭面や生活面でのリスクについて話をしてきました。
高校生が一人暮らしをする際、アルバイトの忙しさのせいで学校生活や人間関係、学力など切り捨てなくてはならないものが多すぎる印象です。また、物件を選ぶ目も肥えていないため、失敗してしまう可能性が高いでしょう。
高校生の一人暮らしは、よほど必要に迫られない限りはしないほうが無難でしょう。お金や時間に余裕を持つのが大事なのかもしれません。
せっかくの高校生活ですから、高校生にしかできない学校行事や部活動に力を注いでみてはいかがでしょうか?どうしても何かこだわりがあるのであれば周りの人に相談して意見を募りましょう。
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