このご時世、無害な虫でも触りたくないという人がほとんどで、ましてやそれが害虫ともなると、もはや自分の手ではどうにもならず、周りに助けを求める人も多いのではないでしょうか。
ある日ふと黒い影を目にしたとしても、家族がいれば誰かがなんとかしてくれるかもしれません。しかし一人暮らしとなるとそうもいきません。
姿が消えるのをじっと待つことしか出来ず、結局見えなくなってからも心配で夜も眠れない。仮に殺虫剤で撃退したとしてもその後の処理はしたくない。でも一人暮らしはしたい。
今回はそんな、一人暮らしで虫に悩まされている方々に、そもそもどういう条件下で虫が現れるのかというお話から、虫の発生そのものを未然に阻止していけるような防虫対策についてご紹介したいと思います。
どんなところから虫は発生するの?
虫だって、なにも人間に嫌がらせがしたくて家に入ってくるわけじゃありません。虫が家に入ってくるのはその場所が虫にとって居心地の良い環境だからです。
水回りやゴミ箱は最高のエサ場
家に入りやすい害虫の代表例にハエやゴキブリがいます。
もはや虫嫌いどうこう関係なく基本的に誰もが嫌悪感を抱く虫と言っても過言ではないこの二匹ですが、彼らもまた生き物です。生きるためには餌が必要で、その餌となるものの一つとして腐敗物質が挙げられます。
台所や風呂場といった水場は湿度が高く、排水溝等に食べ物のカスや汚れがある状態を放置しておくとすぐに腐敗して悪臭を放つようになります。
生ゴミの入ったゴミ箱もまた、言わずもがな悪臭の根源になり、そういった悪臭に誘われてハエやゴキブリは集まってきます。清潔を心がけましょう。
夜の電光は虫のオアシス
臭いだけが虫を集めるわけではありません。夏の夜、自動販売機の放つ光に無数の虫が群がっている光景を思い浮かべてください。
虫は光るものに集まる習性を持っています。日中は外全体が明るいので気にすることはありませんが、夜、暗闇の中で光る街灯や窓辺の灯りは砂漠に咲いたオアシスと化し、窓が開いていたり網戸の一部が破れていたりするとそのまま部屋に侵入されます。
また、夕方以降に洗濯を干したり取り込んだりすると侵入されやすいです。
虫が寄り付かない部屋にするための心掛けとは?
虫の発生を防止するには、その場所が虫にとって居心地の悪い場所でなくてはなりません。
まずゴミやダンボールはすぐに捨てるようにしましょう。生ゴミだけにあらず、ホコリも虫の餌になります。また、湿ったダンボールも虫が卵を産み付けるのにもってこいの環境なので下手に放置していると卵が孵化して大変なことになります。
とにかく湿気は避けたほうが良いです。ゴミ収集日までの期間も、ゴミの保管はなるべく湿気になりやすい日陰を避けるなど心掛けると良いでしょう。
それから、生モノが腐敗した臭いに虫は集まると言いましたが、腐敗しているかどうかは関係なしに、常温で保存が可能な果物なども虫の餌になるので基本的に食品関係は全て冷蔵庫で保管するようにしましょう。
積極的に虫対策をして侵入を防ごう
虫が寄り付かないようにする上で一番手っ取り早いのは、そもそもの侵入経路を断ってしまうことです。壁の隙間や網戸の破れ目、排水溝といったところから虫は侵入してきます。また、エアコンや換気扇といった空調設備も侵入経路です。
隙間を埋める
ほんのわずかな隙間でも虫は侵入してきます。例えば成虫のゴキブリは1.5mmの隙間で通り抜けてしまいます。
開口部の隙間はアルミテープなどを使って塞ぎ、入ってこれないようにしてしまいましょう。
網戸の目を細かくする
網戸の破れ目から侵入されるのはもちろんのこと、新品の網戸でも網目の粗いものだと小さなコバエなどには簡単に侵入されてしまいます。
出来るだけ網目の細かい網戸に張り替える、また、今では網目の部分に防虫加工が施されているものも売られているのでそちらも検討してみるといいでしょう。
それでも遭遇してしまったら…虫それぞれの特徴と対策法
部屋を清潔にして、侵入経路も断った。完璧に防虫対策をしているのにもかかわらず、それでもなお自宅で虫と遭遇することがあります。
徹底的に対策を練りたいなら、まずは相手を知る必要があります。ここからはその虫の習性や、もし遭遇してしまった場合の対処方法を種類別にご紹介していきます。
ゴキブリ
これまでも何度か例に出してきましたが、文字に起こしただけでも不快感を与えてくる言わずと知れた最悪の害虫ですね。
見た目だけでもそうとうな嫌悪感を抱くというのに、さらに大量に繁殖して菌も撒き散らすという最低っぷり。絶対に会いたくないですよね。
ゴキブリにとって落ち着くとされるのは3mm程の狭いスペースで、物と物の隙間を5cm以上にしておくとゴキブリにとって居心地の悪い部屋になるそうです。
また、ゴキブリはハッカ油を苦手としており、侵入経路にハッカ油を蒔いておくと侵入を未然に防ぐことが出来ます。「一匹見たら百匹はいる」と言われるように家に巣を作って繁殖しているため、巣ごと破壊するホウ酸団子もオススメです。
そこまでやっていても必ずしも出くわさなくなるわけではありません。外から帰ってきたときに服にくっついてきたりすることもあります。
もしものために殺虫スプレーは常備しておきましょう。殺虫スプレーは毒霧を噴射するものより急速冷凍出来るものの方が後の処理も楽でオススメです。掃除機で吸うのも一つの手です。
アリ
一時期「ヒアリ」の問題が話題になりましたが、ただのアリでも家に入られると結構面倒です。朝、目を覚ましたら身体中に見覚えの無い腫れが出来ていて、蚊に刺されたにしては妙に痛いという状況になった際には近くにアリが居ないか確認しましょう。
洗濯物にくっついて侵入することもあれば壁に開いた小さな穴からやってきていることもあり、特に後者の場合は要注意です。
アリは集団行動で情報を共有し合う虫なので、一度侵入口を発見されると持続的に何匹ものアリが出入りをするようになります。侵入経路を塞がなければその数は減るどころか日に日に増す一方というわけです。
アリが好むのは砂糖のような甘いものです、溢したお菓子のクズや砂糖などを放置したままにせず、こまめに掃除機をかけるなど心がけましょう。アリは酢が苦手なので侵入してきそうな箇所に酢を振りかけておくのも対策になります。
ハチ
ハチが部屋に居たらシンプルに怖いですよね。そう何度もあることとは思いませんが窓を開けっ放しにしていたり網戸が破けていたりすると稀にそういうことも起こったりします。
ハチとはむやみに格闘しようとはせず、窓を開けて出ていってくれるのを気長に待つか、もしくは急冷スプレーでさっと氷漬けにしてトイレに流すなどすると良いです。
ハチの被害で多いのが玄関に巣を作られるというケースです。もし自分の家に巣を作られたらと考えるとたまったものじゃないですね。
もし巣が作られてしまった場合には危険なのでなるべく業者に頼む事をオススメします。もし自分で駆除する場合は、活動が穏やかになる夜間を狙いましょう。
とは言え一番はハチが寄り付かないことです。ハチが巣を作るのに適している場所は雨風がしのげて周りに植物や虫が多いところです。自宅、もしくは近隣の家で植物を育てていたりするとその近くの軒下に巣を作ったりします。
予め家の軒下やその他雨風が凌げそうな場所にハチよけのスプレーを散布しておくと効果的でしょう。
カメムシ
もはやゴキブリが可愛く思えてしまうほど厄介な害虫です。見た目はゴキブリに比べるとマシな方ですが、この虫の嫌なところはなんと言っても刺激を与えると強烈な悪臭を放つというところです。そのキツさは小動物が嗅ぐと気絶することがあるほど。
カメムシに遭遇した際は、急冷スプレーで臭いを発する間を与えずに氷漬けにすることです。
間違っても掃除機で吸おうなんて考えてはいけません。他の虫の場合はそれでも良いのですが、カメムシに限っては吸引されたのが刺激となり、たちまち掃除機から悪臭が漂い始めます。
カメムシの侵入経路はほとんど一箇所しか無いです。そこまで小さくもなくゴキブリのように細い隙間からやってくることもありません。ではどこから侵入するのかと言うと外干しされている洗濯物を取り込む際に服にくっついていると一緒に入ってきます。
洗濯物を取り込む際はしっかりと叩いて虫が付いていないか確認するようにしましょう。また、カメムシは白色を好む習性があるので白色の衣類だけは部屋干しにするというのも対策になります。
発生した虫の種類に合わせて効果的な対策を!
今回は特に厄介な虫をいくつか例に出しましたが、他にも家に侵入する害虫はたくさん居ます。
やはり基本の対策としては
・部屋は常に清潔にしておく
・開口部に隙間を作らないようにする
・網戸や壁に破損が見られた際には修理する
・湿気を無くす
・夕方以降に洗濯物を取り込まない
といったことが挙げられます。
虫ごとに習性が違ったり、最適な処理の仕方も異なります。虫の特性を知り、それにあった対処の仕方を身に着けましょう。
生きている以上虫と無縁でいることは難しいです。一人暮らしの部屋で虫と遭遇してもどうすることも出来ないという方は、その分、虫との遭遇を未然に防ぐ防虫対策に力を入れましょう。
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