この暑い季節、台所の生ゴミがすぐに腐り、異臭を放ち始めるのには困ったものですよね。そうなると厄介なのがコバエです。
見ているだけでも充分不快なわけですが、実際、食品などに細菌を撒き散らしたりと、積り重なれば人体にも悪影響をもたらす立派な害虫です。
気分も健康も害するコバエ。そもそもどのような状況下に発生しやすいのか。もし自宅に湧いてしまった場合にはどのような対策が効果的か。コバエ対策をしっかりと身につけ、爽やかな夏を送りましょう。
コバエは「小さなハエ」の総称。どんな種類があるの?
ここまで『コバエ』という単語を繰り返してきましたが、そもそも、そういう名称のハエは存在しません。ハエにも色々な種類がいて、サイズもそれぞれ違います。その中で比較的小振りと判断されたものを総称して『コバエ』と呼んでいるだけです。
私達が単に『コバエ』と呼ぶそれらは、だいたい以下の種類に分類されます。
ショウジョウバエ
全長は2mm前後で黄赤色をしており、生ゴミ、主に腐った果物を主食としています。食品にたかるためゴミ箱周辺や台所に発生することが多いです。
ノミバエ
全長は2mm前後で黒褐色をしており、腐敗した植物やゴミに発生することが多いです。また、動きが俊敏で、そこら中を飛び回っては肉を中心とした食品に潜り込み卵を産み付けることで問題になっています。
キノコバエ
全長は2mm前後で灰黒色をしており、湿気の多いところや薄暗いところに発生することが多いです。また、腐った植物の周りを好み、腐葉土に卵を産み付けるため、観葉植物の土に紛れた卵が孵って室内に湧くパターンが多いです。
チョウバエ
全長5mm前後で黒色をしており、表面には毛が生えています。とにかく湿気を好むため、台所、トイレ、風呂場付近に発生することが多く、侵入経路も排水溝が主です。
コバエはどうして発生するの?その原因と対処法について
コバエの発生には大きく分けると、外から侵入してくるケースと室内で湧くケースがあります。それによって対策の仕方も大きく変わってきますので、まずはそのハエがどのようにして発生したかを確認しましょう。
また、発生ルートが分かってもそれに対応出来なければ意味がありませんので、合わせてその対処法も押さえておきましょう。
外から侵入
こちらの場合は想像もしやすいかと思います。例えば窓を開けっ放しにしていたり、網戸を張っていても網目が破れていたりすると、コバエに限ることなく虫は入りたい放題です。
窓はちゃんと閉めるし網戸にも破損は無いという方も、まだもう一歩注意が必要です。網戸の目の細かさを見てください。先程ご紹介したようにコバエの多くは全長が2mm前後と非常に小さく、目の荒い網戸だと新品でも侵入出来てしまいます。
ご自宅の網戸を確認して不安に感じた方は、ホームセンターなどで目の細かい網を買ってきて付け替えてみてはいかがでしょうか。また、最近では網の部分に防虫加工がされているものも売られていますので、そちらを検討してみるの良いかもしれませんね。
加えて、多くの虫には光に集まる習性があるので、暗い時間帯に部屋の明かりがついた状態で洗濯物を取り込まないというのも対策になります。
室内で湧く
室内で湧くという言葉だけ聞いてもいまいちピンとこないかもしれません。腐敗した生ゴミや汚れからふっとコバエが誕生することはもちろんありません。生まれるということはそこに卵があるということです。
例えば、何かの拍子に室内に入ってきたのがそのまま生ゴミに卵を産み付けていたり、購入した観葉植物の土に卵が紛れていたりするとそこから繁殖が始まってしまうのです。
対策としては、今言ったような発生源を探し、洗浄やアルコール消毒で元を断ってしまうのが良いです。
また、
・常温保存が可能な食品であっても冷蔵庫で保管する
・生ゴミはできるだけ出さないようにする
・定期的に排水溝を掃除する
・ゴミは溜め込まない
など、日頃からコバエの産卵に適さない環境づくりを心掛けるようにしましょう。これらの対策は他の害虫への対策にも繋がるのでぜひ実践してください。
目障りなコバエをすぐにでも撃退したい時は?
これまでは、どちらかと言うと発生しないように先に元凶を叩いてしまおうという考えでした。湧いてはいるけど、そもそも発生源がどこにあるのかも分からないという状況に陥ることもあるかもしれません。
そんな時、家中に飛び回ったコバエを簡単に一掃できる方法があります。
めんつゆトラップ
※ノミバエに効果あり。
まず、深めの容器を用意します。丁度いい容器が無い場合はペットボトルの中腹あたりを切ったものでも構いません。
次に用意した容器に1cm程水を張り、適量のめんつゆを入れた後に食器用洗剤を数滴加えれば準備完了です。この時めんつゆは水より少し多いくらい、洗剤はめんつゆの表面に薄い膜が張る程度がベストです。
後はこれを設置するだけ。たちまち、めんつゆの香りに誘われてやってきたコバエたちは洗剤の膜に足を取られ、数日すれば容器の中はその死骸で溢れています。
お酢トラップ
※ショウジョウバエに効果あり。
めんつゆトラップ同様の容器を用意してください。
同じく1cm程水を張った後、さっきとは違いお酢を少量(目安は水の十分の一)入れます。その後は先程同様で、水の表面に薄い膜ができる程度の食器用洗剤を入れてください。
リンゴ酢や黒酢のようなフルーティなものだとより一層効果が高まります。また、ビールをよく飲むという方は飲み残したビールをお酢の代わりに使っても良いです。
これはめんつゆトラップにも言えることですが、トラップを設置する際は台所や風呂場といった普段出現しやすい場所に設置すると効果が高まります。
駆除するハエの種類によって効き目があったりなかったりすることもあります。まずはご自宅に発生したコバエがどの種類なのかしっかり見極め、種類に合った対策を考えましょう。
大切なのは普段から部屋を清潔に保つこと!
コバエが家に発生した場合の対策として、めんつゆやお酢を使ったトラップなどの紹介しました。
しかし、それだって結局香りによって誘い出しているだけであって、コバエが卵を産み続ける限り延々と仕掛け続けなくてはなりません。あくまでもトラップを使うのは最終手段と考えてください。
そもそも夏場だからといってコバエが湧くのは当たり前のことではありません。それに、湧くほどということは、おそらくその家にはコバエ以外の害虫も潜んでいる可能性が高いです。
発生しているのを駆除することよりも、まずはコバエや他の虫が室内に入ってこないような防虫対策に努めることが大切です。開口部の隙間をアルミテープで塞いだり、防虫スプレーを侵入経路に散布するなど色々方法はあります。
でも、なによりも大切なのは、例えば出すゴミは最低限に抑えたり、定期的に掃除するようにしたり、日頃から清潔な環境づくりを心がけることです。
コバエ対策に努める生活ではなく、コバエとは無縁の生活を目指しましょう。
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